脂肪肝と肝硬変の人の為のサプリメント
アルコールの飲みすぎは、肝臓に重大なダメージを与えます。
肝臓は、生体の化学工場ともいわれるようにタンパク質、糖質、脂質、ビタミンなどの栄養素の代謝、体内で発生した有害物質を無害化して除去するなどの解毒作用と排出を受け持っています。
アルコールはこの肝臓で分解されて最終的に無害な水と二酸化炭素となり排出されます。
この分解過程で、二日酔いの原因ともなる有害物質アセトアルデヒドが生成されます。
長期間お酒を飲み続けていると、このアセトアルデヒドによって肝臓を構成している肝細胞に障害を起こします。
アルコールによる障害の代表は脂肪肝ですが、これ以外にもアルコール性肝炎やアルコール性肝線維症、肝硬変などを引き起こします。
脂肪肝は肝細胞に中性脂肪が異常に蓄積した状態をいいます。
食べ物から摂取された脂質は、まず中性脂肪やコレステロールに分解され、血液によって肝臓に運ばれ、ここでタンパク質と結合し、リポタンパクという安定した形となってふたたび血液中に放出され、エネルギ1源として、あるいは細胞そのものの成分として使われます。
ところが、大量にアルコールを飲む人は、タンパク質が十分摂れていないため、中性脂肪がタンパク質と結合できずに肝細胞にどんどん蓄積され、脂肪肝となってしまうのです。
この脂肪肝は、だいたい日本酒で三合以上、ビールでは大瓶三本以上、ウイスキーなら水割りをダブルで三杯以上、毎日のように飲んでいると起こります。
ところが、脂肪肝はこれといった自覚症状がないため、さらに大量のアルコールを飲んだりするとアルコール性の急性肝炎を引き起こすことがあります。
腹痛や激しいだるさ、食欲低下、黄症、むくみに加え意識障害など劇症肝炎のような重い症状を伴うこともあり、危険な状態に至ることもあります。
このアルコール性の急性肝炎の場合、病状が一時的に回復しても肝硬変へ進行していくケースも多いので、要注意です。
また、アルコールによって肝細胞が壊死を起こし、その細胞が線維化して、やがては肝硬変を引き起こします。
アルコール性肝硬変の場合は、硬くなって萎縮するのではなく、むしろ腫大するのが特徴です。肝硬変から肝臓ガンへ移行することも多いので、くれぐれも注意したいものです。
ただし、肝臓ガンを除けば肝硬変であってもアルコールが原因の肝障害の場合は、禁酒と十分な栄養摂取によって肝機能がかなり回復します。
というのも、肝臓、とくに肝細胞は皮膚の細胞と同程度の高い再生能力を持っているからです。
最近、日本では生体肝移植が盛んに行われるようになりましたが、生体肝移植が可能なのは、この肝細胞の再生能力の高さによるのです。
つまり、かなり広範囲に肝細胞が破壊されてもその原因がなくなれば、肝臓の機能は急速に回復するというわけです。お酒の飲みすぎで肝硬変を起こしても、完全に禁酒すれば機能が回復するのもこのためです。
脂肪肝を予防するにはコリンをとろう
動脈硬化や心臓病を防ぐ効果があるといわれるポリフェノールをたくさん含んだ赤ワインが人気ですが、じつはフランスでは確かに動脈硬化や心臓病は少ないのですが、肝硬変が多いのです。
これは、体にいいワインでもやはりアルコールですから大量に飲み続ければ肝臓に障害が起こるためです。
適量はワイングラス一〜二杯といわれています。
また、アルコールは私たちが持っている免疫機能を低下させてしまうため、風邪をはじめとしたいろいろな感染症にかかりやすくなります。
その結果、肝臓にさらに負担がかかってしまうのです。
アルコールは肝臓にダメージを与えるばかりか、体からビタミンA・B群(Bl・B2・B6・B12・葉酸)・C・Kといったビタミン、亜鉛・マグネシウム・カリウムなどのミネラルを大量に消失させてしまいます。
しかも、肝臓の脂肪処理能力も低下させてしまいます。
大量のアルコールを連日飲み続けることがいかに肝臓や体にダメージを与えるか、わかっていただけたと思います。
お酒が飲めない方は酒席では肩身の狭い思いをしているようですが、肝臓にとってはたいへん好都合なのです。
酒好き、あるいは酒豪にとって、お酒を飲むことはストレス発散にもなりますから、一概に悪いとはいえません。
問題はお酒の量と、不足しがちな栄養分をどう補ってアルコールの害を少なくするかです。
つまり、アルコールとの上手なつき合い方を知ることが大事ではないかと思います。
まずは、アルコールによって失われてしまうビタミンをサプリメントで補うようにしたいものです。とくにビタミンB群は、糖質・タンパク質・脂肪といった栄養素の代謝を助ける働きがあり、血を作ったり、細胞分裂とも深く関係するビタミンです。
また、ビタミンB1が不足すると脳に記憶を書き込む機能が失われる「ウェルニッケ脳症」を招いてしまいます。
そういう意味でも、複合タイプのビタミンB群をサプリメントでとるといいでしょう。
また、脂肪肝を防ぐ効果があることから「抗脂肪肝因子」と呼ばれるものに、コリンやイノシトール、メチオニン(必須アミノ酸のひとつ)などがあります。
コリンやイノシトールは肝臓に入ってきた脂肪を分解し排出する働きを高める作用があり、肝臓に脂肪が蓄積するのを防ぐというわけです。
コリンはピーナツなどのナッツ類、枝豆、大豆、レバー、卵などに含まれています。また、イノシトールはレバーやピーナツ、小麦胚芽、レーズン、キャベツ、グレープフルーツなどに含まれています。
コリンとイノシトールの両方を含んでいるのは、ピーナツとレバーです。
つまり、ナッツ類や枝豆、レバーなどはお酒のおつまみには最適だというわけです。
また、コリンを含む大豆の加工品である豆腐には、良質なタンパク質が含まれています。
脂肪肝はタンパク質が不足すると起こりやすくなりますから、豆腐を使った料理 (たとえば冷ややっこや湯豆腐、豆腐の揚げだし、豆腐サラダなど)やチーズなどの乳製品もおすすめです。
お酒を好きな人のなかには、おつまみをほとんど食べずにアルコールだけを飲んでいる人がいますが、それでは肝臓は悲鳴をあげてしまいます。
前述したおつまみをとるように心がけましょう。
また量を抑えるということでは、せめて週に二〜三日は休肝日を設けて肝臓を休ませてあげるようにしましょう。
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